2010年10月17日日曜日

ネタメモ005(往還機)

さて、ようやく往還機にたどり着いたぞ。

往還機を考える時に問題となるのが、大気中と宇宙空間という、大きく異なった2つの環境下で動作させなければならないということ。そして、それを解決した上で、運用コストを如何に引き下げるかということだ。

大気中を飛行する航空機は大気を様々な形で利用して飛んでいる。しかし、宇宙空間ではそれを利用することはできない。

具体的に言うと、重力に逆らって機体を空中に浮かせる揚力と、内燃機関(レシプロ機関だけでなくジェット機関も内燃機関に含まれるぞ)を動作させるのに必要な酸素だ。

宇宙空間で動作するロケット機関もやはり内燃機関の一種であるが、酸素のない宇宙空間で動作させるために、大量の酸素を固体や液体の形で持っている。打ち上げ時に大気中を飛行している最中でも、外部からの酸素供給を受けずに、自前の酸素で動いているのだ。つまり、大気中の酸素が利用できれば持っていかなくてもいい重量を持ち上げているということだ。
これは、酸素のない宇宙空間だけでなく、地球の重力を振り切るのに必要な超高速(およそ時速28000km≒マッハ22)で確実に動作するジェット機関が存在しないためだ。
そこで現在、酸素を利用できる機関として、スクラムジェットという機関が研究されている。これが実用化されれば、大気圏を脱出するまでの分の酸素は持たなくてもよくなるため、重量の大幅軽減ができることになる。つまり、同じ重量を宇宙に打ち上げるのであれば、より低出力な機関で可能性になるわけだ。機関は出力が大きくなるほど製造やメンテナンス、消費燃料などのコストが増大する傾向にある。スクラムジェットは運用の低コスト化には必須の技術だといえるだろう。

だがしかし、スクラムジェットにも問題がある。
とりあえず、実用のための技術的問題が解決されたとしよう。しかし、スクラムジェットの動作速度領域はマッハ5~15とされている。マッハ15以上はおそらく酸素を利用できない高度になるため、旧来のロケット機関になるから(デッドウェイトの点を除けば)大きな問題はない。しかし、成層圏プラットホームが飛行する亜音速域から、スクラムジェットが動作するマッハ5までの加速には別の機関が必要になってしまうのだ。このために別の機関を搭載するとなると、これまでのターボジェットなどでは燃料も異なる(スクラムジェットは燃焼速度が高いため水素を燃料とすることが有力視されている。これには液体ロケット機関と燃料を共通化できるメリットもある)し、さらなるデッドウェイトを抱え込むことになるので、スクラムジェットの採用によって生まれた重量面でのメリットが消し飛んでしまうのだ。

<書きかけ>

大気圏再突入時の最大の敵は“熱”だ。

現在の宇宙機では、落下による速度を空気抵抗で熱に変えて減少させている。スペースシャトルでは、地上の滑走路に着陸するため、滑走路の長さや着地時に受ける衝撃の大きさから、一定以下の速度に減速しなければならない。減速を空気抵抗のみに頼った場合、機体と空気の摩擦によって大きな熱が発生することになる。まあ、これは自動車のブレーキが摩擦によって運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減速するのと同じだから、避けることはできないわけだ。

ということは、熱を減少させるには減速率を落としてやればいいわけだ。

減速率を落とすためには、大気圏再突入時と着陸時の速度の差を小さくすることが考えられる。
先に説明したように、地上の滑走路に着陸するための速度というのは滑走路の長さや機体強度などから上限が決まってしまうから、差を縮めるためには再突入速度の方を低下させるということになる。

ところが、大気圏再突入時の速度というのは厳密な計算によって決まっていて、それよりも速くても遅くても失敗してしまうのだ。この辺りの細かい内容はこんなブログでは説明しきれないので、気になる場合は自分でググってもらいたい。
ものすごく簡単に言うと、水面で石を跳ねさせる「水切り」という遊びを思い出してもらいたい。水面が大気圏で石が往還機だとすると、速度が速すぎると往還機は大気圏に弾かれてしまい、遅すぎるとすぐに沈んでしまうのだ。すぐに沈むなら問題ないと思われるだろうが、上に書いたようにすぐに沈むと減速率が高すぎて高熱を発し、地上に辿り着く前に燃え尽きてしまうのだ。

どっちも速度を変更するのが難しい、となればその途中でなんらかの方法で減速するしかないということになる。

スペースシャトルはマッハ20以上の高速で再突入し、地上近くではおよそ700km、着地時にはおよそ350kmに減速するようだ。ということは、成層圏プラットホームが亜音速で移動するとすれば、往還機を相対速度0で回収することが可能になるわけだ。ああ、やっと成層圏プラットホームの価値が出てきたぞ。

また、減速距離を長くすれば、それだけ減速率を低く抑えることが可能だ。スペースシャトルは、リフティングボディという揚力を発生する機体形状で作られているが、いかんせん帰還時は動力を持たないため、滑空というよりは制御された落下と言ったほうが正しい。打ち上げ時の問題もあって翼の大型化ができない以上、現状よりも減速率を低くすることはできないだろう。

しかし、十分な出力を持った動力があれば水平飛行が可能になるため、減速率(落下率と言い換えてもいいだろう)を大幅に減少させることが可能だ。

ふと思ったんだけど、スペースシャトルって冷戦時代の遺物でもあるんだよね。もしかしたら、ホントはもっと減速率を減らす降下方法とかがあったのに、共産圏の領空を飛行できないからああなったんだったりして。妄言だけど。



※書きかけ、これからどんどん長くなる。

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