2011年5月10日火曜日

今日の雑感036

前にも書いたけど、また書く。

震災以降、脱原発の声が高まっていることはご存知の通り。原子力が人間の手に負えないエネルギーであるという点でそれには賛成せざるを得ない。しかし、反原発派の人々が原発の代替として自然エネルギーの開発を唱えているのが気に掛かってしまう。

自然エネルギーは、風力や太陽光といった、自然界にあるエネルギーを電力に転換しようというものであるわけだが、どうもこれらが地球の気候に大きな影響を持つものであることが忘れられているような気がするのだ。

近年、東京では夏になると突発的な豪雨の被害が発生することが多い。これは、ヒートアイランド現象に加えて、湾岸に林立する高層ビル群が東京湾からの海風を妨害して、地上と海上の空気(と熱)の入れ替えを阻害いるためであるという説がある。

さて、風力発電機は地表近くを流れる気流からエネルギーを得る発電方式だ。つまり風から運動エネルギーを奪い、その流れを弱くしてしまうということに他ならない。ということは、小規模ならともかく、原発を代替するほどの数を林立させると、上記のような気候の変動を起こす可能性があるということなのだ。

事は風力に限らない。太陽光発電は太陽電池パネルを地表や海洋に敷き詰める必要がある。これは地表や海洋が太陽から得ていた熱エネルギーを奪うことに他ならない。すでにアスファルトが敷き詰められた都市だけに設置するならともかく、家庭用だけでなく産業用までまかなうなら、自然エネルギーの不安定さを考えれると、必要発電量の数倍の面積の太陽電池パネルが敷き詰められることになりかねない。

これが地上であれば、そこに生息する動植物の生態系に影響が及ぶだろうし、海洋であればさらに潮流に変動を起こす可能性が高いのだ。

もし十分な環境へ検証を怠ったまま、地球規模で急激に自然エネルギーへの転換を進めた場合、最悪、人工のエルニーニョ現象やそれ以上の気候変動を引き起こすことになりかねない。さらに、それは現在の生態系に深刻な影響となって現れるだろう。環境や生態の保護を訴えている人々はこれに対して声を上げているのだろうか? エンドウ豆のようなテロ組織は別として、もしその声が圧殺されているならそれは恐ろしいことだ。

サハラ砂漠に太陽電池パネルを設置して、ヨーロッパに電力を供給するという計画があるようだが、これは砂漠に存在する脆弱な生態系のことを考慮しているのだろうか? 砂漠化の進行を止めるっていうなら、無茶な森林伐採を禁止するのが先だ。生態系だけではない。サハラからヨーロッパに送電するためには、従来の送電線ではロスが大きいため、送電ケーブルに超伝導物質を使用することが考えられているそうだ。超電導は物質を非常に低温に保たなければ発生しない効果である。その温度は長年の研究によって徐々に上昇し、現在では液体窒素レベルの温度であれば可能であるという。この冷却を行うための電力はサハラで発電したものを利用するが、従来の送電ケーブルによるロスよりも少なくて済むらしい。だが、冷却によって撒き散らされる廃熱はどうなるのだろうか? 真夏のエアコンの室外機を考えればよくわかると思うが、送電ケーブル周辺に大きな環境変化を引き起こす可能性があるのではないか。

人間のために自然環境に新しい負担を押し付けるのを良しとするなら、根本の思考は原発推進派と変わらない。大規模な開発は、大規模な破壊なしには成し得ないということを忘れてはならないのだ。

それとも、原子力は手に負えないが、自然は手に負えるとでもいうのか? だったら自然災害なんかハナっから起こらないだろう。

もちろん、今から数百年前のエネルギー使用水準に戻すことは不可能だ。ハヤカワさんもPCや便利な家電のある生活を棄てることはできはしない。

しかし、自然エネルギーの開発は避けられないにしても、それは可能な限り最小限に留めるべきだ。それよりも、省エネルギー技術の推進によって、極力生活に影響を与えない形で使用エネルギーの総量を減少させていくことが、これから先も地球と人類が共存していくために必要なことなのだ。

大事なことだから2回いいました。

0 件のコメント:

コメントを投稿