2011年5月26日木曜日

ネタメモ017(超長距離砲その1)

ハヤカワさんが書こうとしている小説ってヤツはなんとゆーか冒険小説というか軍事小説ってジャンルになると思うのね。でさ、そういう小説でクライマックスを迎えるためにはラスボス的なモノが必要なんじゃないカナ? と思うわけだね。んで、クロウト受けを狙うならガチガチにリアル方面に持っていくべきなんだろうけど、一般とゆーかライトオタク向けだとやっぱちょっとばかし厨っぽいネタの方がいいと思うのよ。ライトオタには「なにコレすげえ」カンジで、そのスジのヒトには「なにコレ、アタマわりぃ(誉め言葉)」なカンジが理想かな。


そんなワケで、今日は射程100kmを超えるような大砲について考えてみよう。ちなみに100kmっていうと、直線距離だと東京都心~富士山ぐらいの距離らしいね。こりゃ相当なモンだ。
最近もイラクが射程700kmに及ぶようなヤツを作ろうとしてイラク戦争の発端の一つになったり、つい先年には多分この計画の人材なんかを流用したんだろうけど、イランも密かに計画してたりしてたりと、意外とリアルでも考えているおバカさんがいるみたいだ。数百km~数千kmといった超遠距離目標に対しては弾道弾という兵器が存在する現代においてこんな無茶な大砲を作ろうとする理由や、実際に作るとなると必要な技術はどんなもんなんだろうね?

さて、超長距離砲というと真っ先に頭に浮かぶのが第一次大戦でドイツが使用したパリ砲だろう。この砲の目的は、戦線からはるか後方にある都市(パリ)に直接攻撃をかけ、市民を混乱に陥れて厭戦機運を高めて講和もしくは降伏に追い込むってことらしい。これが発展して、第二次大戦の戦略爆撃に繋がったとも言われているね。
もっとも、この大砲は戦術的にはかなり非効率といえるシロモノで、最大射程近くで砲撃すると、パリ市を狙えるけどパリ市のどこに落ちるかわかんないという程度の精度しかなかったようだ。まあ、砲弾なんてものは砲身から飛び出しちまえばコントロールする方法がないんだから、射程距離が長ければ長いほど、天候や地球の自転に影響されて着弾点がずれてしまうのはいたしかたない。逆に、どこにいても危ないってことで撃たれる方の恐怖感は増すから戦略的には効果が上がるかもしれないけども。要するに、狙ったところでそこに落ちる保障はないから、結局のところ無差別砲撃になっちゃうわけだ。エリゼ宮に叩き込んでフランスの大統領を吹き飛ばすなんてマネはできないんだね。

時は下って第二次大戦末期のドイツ。ここではムカデ砲とかロンドン砲と渾名される大砲が作られていたりする。これは渾名の通りフランスの沿岸から直接ロンドンを砲撃する目的で計画されたもので、結果として実用にはならなかったが、V兵器の一つとしてワリと高い優先順位で研究開発されていたようだ。一次大戦の時は、航空機による爆撃が未発達だから大砲でやらざるを得なかったんだけど、第二次大戦の頃はすでに航空機が十分に発達していた時代だから、本来なら敵国の首都を壊滅させる目的であれば戦略爆撃の方が適当だろう。しかしながら、爆弾を満載した鈍重な爆撃機がヨタヨタと敵国上空を飛ぶためには絶対的な制空権が必要になる。ということは、連合国の航空戦力が撃滅されていなければならないということだ。ところが現実を振り返ると、ドイツ空軍はバトルオブブリテンに敗北して英国本土の制空権を得ることができなかった。これでは戦略爆撃を行うことは不可能だ。もっとも制空権を得られたとしてもドイツには戦略爆撃が可能な重爆撃機もなかったんだけどね。まあ、これは制空権さえあれば後からどうにでもなると考えていたんでしょ。
話を戻そう。で、しょうがないから制空権を無視して戦略爆撃ができる兵器を作ることになって、これがV1号やV2号に代表されるV兵器。ムカデ砲はその中のV3号として研究されていたわけだ。ちなみに、フランスのカレーからロンドンまではおよそ150kmで、パリ砲の最大射程130kmでもちょいと届かないから、新しい兵器を開発しなけりゃならなかったのだ。
ムカデ砲がどんなものかってのはリンク先(V3 15センチ高圧ポンプ砲)で見ていただくとして、仮に実用化されていたとしても、パリ砲と同様に精密射撃は難しいから、ダウニング10を狙って吹き飛ばすのはできなかっただろうね。

ムカデ砲が実用化されなかったのは、技術的な問題も大きいけれど、V1やV2が実用化されて効果を上げたせいで必要性が薄れたり、巨大な固定式の大砲は連合軍の空襲のいい的になってしまったりといったコトだったりする。
そう、大砲というのは砲弾を高圧ガスの力で発射するための装置であって、その内部で発射ガスを作り出すために火薬を爆発させなければならない性質上、どうしても頑丈に作る必要があるのだ。当然重量もそれなりに大きくなるし、超長距離砲だと砲弾に非常に高い初速を与えなけりゃならないから普通の大砲よりもとんでもなく長い砲身にせざるを得ない。つまり、“でっけえ”のだ。余談だけど、必要な圧力のガスが作り出せるなら火薬でなくてもいいのね。空気銃ってのは圧縮空気を利用して弾を撃ち出すから火薬を使わないね。ただし、火薬が瞬間的に作り出す膨大なガスには及ばないので威力は低くなる。だから一般人も持てる。ヒトや動物を狙ったりしちゃイカンけどね。ああ、また脱線したよ。
この砲身内で大量の火薬を爆発させるってことが、巨大な大砲を製造したり、使用する上でのネックになるわけだ。大砲に限らず、重くてでっかいモノを扱うには大量の人員や設備が必要になるのはモノの道理ってヤツだね。


まだまだ長くなるので今日はここまで。

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