2010年9月20日月曜日

今日の雑感004

島嶼戦の難しさは、よほど大きな島でない限り防御の縦深が取りにくいため、防衛プランが水際防御一択になってしまう点にある。

また、陸上戦力による機動防御が事実上不可能であり、このため兵力を分散配備せざるを得なくなり、優勢な敵に各個撃破される危険性が高い。攻撃側が攻略すべき島を自由に選べるという点で、島嶼戦は守備側が著しく不利である。戦略的な価値や敵の攻撃能力である程度目的を絞ることは可能だが、太平洋戦線で米軍が行ったような蛙飛びをやられるとかなり辛いことになる。
仮に重点となる島に十分な戦力が準備できたとしても、制海制空権を奪われて後方との連絡が遮断されれば、最悪の場合はサイパンやガダルカナルと同様の運命を辿ることになるだろう。

このため、一旦接近を許してしまうと、水際で敵に過大な出血を強いて攻略を断念させるか、自然環境や政治などによって敵が撤兵せざるを得ない状況ができるまで耐えるか、優勢な援軍による側背面からの攻撃で状況を逆転させるか、いずれかによってしか勝利できないということになる。
仮に、橋頭堡を確保されてしまうような事態になれば、島に配備されている戦力だけでは遅滞戦闘以上のことはできないことは戦史を紐解けば明らかである。

最良の防御手段としては、敵上陸部隊が島に接近する前に、揚陸艦や輸送艦を海上・航空戦力によって先制攻撃することである。このため正攻法であれば敵はこれを防ぐために海上航空撃滅戦から開始することになる(それ以前に指揮系統を混乱させるためのサイバー攻撃が始まるだろうが)。この場合は、上陸部隊が侵入する前に開戦しているので、戦力が残っていれば、境界線を越えた時点で現場の判断で攻撃ができるから大きな問題はない。

しかし、宣戦の布告や初期の撃滅戦を経ることなしに上陸部隊が単独で越境してきた場合、政治がそれに対する攻撃命令を下せるだろうか? おそらく、これが最大の問題になるだろう。

上陸したのが一島だけなら迷子かもしれない。とか言い出さなければいいが。

最悪の状況を避ける努力を重ねつつ、最悪の状況への備えを怠らないのが政治の仕事だ。

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